2018年 光和雲流 ~タガかけ~
- 2018/10/04
- 21:41
取材日:9月30日
東京近郊で恐らく初の電車の計画運休が事前に発表されるなど、間違いなく各地に影響を与えそうな台風24号の近づく中、
嵐の前の静けさなのか、雨もまだ降ってなく風も穏やかな午前中に光和雲流さんへお邪魔してきました。
光和雲流さんは会員数35名程で椋神社のお膝元・椋本八耕地の1つである和田耕地で活動している流派さんです。
流派名は、日本武尊が放たれた光の飛ぶあとを辿って当地に来たという伝承から「光」、
和田耕地の人たちが平和に暮らす「和」を組み合わせて「光和雲流」と名付けられたそうです。
着いた時には丁度一番下のタガをかけている所でした。
なかなか決まらずに、入れては外し、打ち込んでは無理そうだとタガを切る。
タガ掛けの難しさが伺えます。
難しいからこそ、自分が編んだタガが使用された時の喜びは一押しだそうです!
更に筒をよく見てみると・・・
隙間が空いてる!Σ(゚Д゚)
光和雲流さんではボンドなどで筒を接着したりせず、タガの力だけで筒を合わせているそうです(;゚д゚)ゴクリ…
傍らでひごを引きながらの作業です。
大体40本を目安にひごを引き、実際にかけられるタガは全部で30個ほどだそうです。
例年2本奉納している流派さんなのですが、今年は抽選漏れで1本の奉納となりました。
作業量的に物足りなさを感じつつも、その分この1本を大事に製造しているとの事でした。
そんな光和雲流さんの龍勢、見所はなんといっても「本もやし」!
※本もやしとは・・・点火後も燻ぶった状態が数十秒続き、その後本火薬に点火・上昇する技法
点火後20秒は白煙を吐き続けて、その後重々しくゆっくりと上昇していきます。
点火後ものすごい勢いで上昇するのが主流の吉田の龍勢において、明治から続く昔ながらの製法を意識し、継承しています!
もう一つの見所が「落下傘」です。
火を扱う龍勢において、和紙や布を素材とする事が多い落下傘はどうしても破損しやすい背負い物です。
そんな中光和雲流さんは13年間同じ落下傘を使い続け、
このように年月日が一周したから仕方なく新しい落下傘を新調した経緯を持つほどの流派さんです!
当日は是非落下傘にもご注目ください!
また龍勢祭において大事な要素のひとつに「口上」があげられます。
過去に「口上コンクール」が開催されていた際に、3年連続で優勝を納めた方が光和雲流にいらっしゃいました。
口上にも昔から伝わる雛型があり、これを元にしてその時の龍勢に合わせて変えているそうです。
そんな伝統ある口上ですが、去年から耕地の小学生に口上を務めてもらっているそうです。
若い世代に口上の技術を伝えると共に、龍勢にさらに興味を持ってもらい、耕地を盛り上げる狙いだとか。
今年も小学生が口上を行うとのことですので、是非ご注目下さい!
今年の光和雲流さんの打上は27番 16:00です。
比較的遅い時間帯での打上が多いとの事で、もう慣れちゃったと仰ってましたw
今年も見事な龍勢を期待しています!
お忙しい中お時間を頂きありがとうございました。
※おまけ
ひょんな事(和田繋がり)から長野県の和田龍酒造さんとお付き合いがあるとか。
光和雲流の為の特別仕様の日本酒を毎年作っていただいてるそうですよ!
文・写真:けんも
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