2019年 美峯雲流 「筒掘り」
- 2019/09/07
- 12:59
取材日:9月1日
いよいよ9月に入りました!
御奉納の順番も決まり多くの流派が作業始まりとなるこの日に、令和になり初の龍勢祭で櫓試しをすることになった「美峯雲流」さんにお邪魔してきました!
※櫓試しとは・・・1番目に打ち上げる龍勢の事。その年の龍勢祭を占う1本とされています。
もともと万場沢耕地の有志が五区若連として龍勢を奉納していましたが、そこから青雲流へと名前を変えました。
次第に耕地で上げようという気運が高まり、前棟梁である濱田さんが青雲流さんから分かれ、今の美峯雲流を旗揚げしたとの事です。
名前の由来ですが、秩父の山の美しさにちなんで「美峯」と名付けたそうです。
会員数は12名と決して多くはありませんが、耕地に引っ越しなどで来られた方達に誘いの声をかける等して、若い新人さんも加入している流派です。
そんな美峯雲流さん、旗揚げ以来棟梁を務めてきた濱田さんより井相田さんへと棟梁が変更されました!
左:前棟梁 濱田さん 右:新棟梁 井相田さん
新棟梁である井相田さんは流派の中でも最古参の一人。
今までは製造よりも裏方である事が多かったそうですが、棟梁交代の流れの中で自薦も他薦もあり決定したとの事でした。
棟梁交代の大きな理由は「世代交代」。
各流派の構成員が高齢化が進む中、美峯雲流さんも例外ではありません。
会員の子供も娘さんが多いそうで、なかなか世襲を狙うという訳にもいかないようです。難しいですね(´・ω・`)
さて、作業の方を見てみましょう。
先に述べた通り世代交代を目指す美峯雲流さんでは「作業には全員参加」をモットーとしています。
通例では棟梁が行うとされる「墨入れ」も参加者全員で行い経験を積ませます。
こんな感じになります。
内堀りの外側にカッターでガイドラインを入れ、掘りすぎないようにします。
木目もあるので、真っ直ぐ引くのは結構難しいそうですよ(;・∀・)
工具を使い筒の内径に沿うように削っていきます。
するとこのような状態になります。
あとはノミなどを使い粗削りしていきます。
さっき工具で入れたこの溝が消えるまでは掘っていいよという指針にもなります。
カンナできれいに整えた後、筒を貼り合わせ外側を削っていきます。
八角形ぐらいになったら電動カンナ?で少しずつ慎重に削っていきます。
大分円形に近づいてきました。
後は人の手でカンナがけを行い、完成へと導きます。
墨入れから外堀りまでなんと1日で終了してしましました!Σ(゚Д゚)
美峯雲流さんの見所は何といっても「元祖長旗」です!
奉納者の名を入れた6M以上の長旗をご期待ください!
※画像は2018年のものです
去年の龍勢は「中抜け」という結果でした。
一昨年の龍勢はいい出来で、それを習って製造したとの事ですが、龍勢は生物。なかなか上手くいきません。
棟梁からは「今年は令和元年初の打上に緊張もあるが、せっかくの記念!いつも通り楽しんで、高く上がる龍勢を目指し流派一丸となって製造します」というお言葉を頂きました!
また裏方を多く経験された棟梁から「龍勢には裏方を支える奥さん方の協力もかかせない。本当に感謝している」とのお言葉も頂いたのでここで合わせてご紹介させて頂きますね。
お忙しいところご協力ありがとうございました。
令和元年の櫓試し!ご期待ください!
文・写真 : けんも
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