2019年 浅間雲流 ひご引き&タガかけ
- 2019/09/20
- 23:07
取材日:9月15日
やっと涼しくなったかと思えば夏のように暑くなったり、夜は夜で15℃前後になり「寒暖差15℃!?」なんて体もビックリな今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか。
龍勢祭まで1か月をきり、サポーターズも慌ただしく活動をしております(`・ω・´)ゞ
さて、今回は浅間雲流さんの「ひご引き」と「タガかけ」の作業にお邪魔してきました。
※写真中央に浅間山
浅間雲流さんは「関・小暮耕地」を活動拠点とする会員数28名で若い方も多い流派さんです。
昭和20年頃、2代前の棟梁が「関・小暮若連」を立ち上げ、昭和58年に地区内の浅間山(せんげんやま)と浅間神社(せんげんじんじゃ)より名前を頂き「浅間雲流」へと改名したそうです。
浅間雲流さんの龍勢の特色は何といっても「安定した龍勢」です。
平成12年から現在に至るまで1度もハネた事がありません!
30年以上前は格好だけの龍勢を作っており5年で3本ハネた、なんて時もあったそうです。
そして「赤」を流派の色の基調として煙火も赤を多用します。
※画像は2018年のものです
これは打ち上げ時の空が青でも白でも映える事から決めたそうです。
また打上2番の西秩父ライオンズクラブ奉納の龍勢には、龍勢繋がりで交流のあるタイの国旗と日本の国旗を落下傘に吊るし、日タイ友好の証として大空を舞います。
※画像は2018年のものです
画像でも出ている落下傘ですが、実際にレスキューの現場で使われているものを使用しておりお値段なんと両手以上!Σ(・ω・ノ)ノ!
現在吉田龍勢保存会では落下傘の中央に穴を開ける事を推奨していますが、浅間雲流さんは推奨の前から穴を開け安全に配慮されていたそうですよ。
これが今年の筒になります。
1号が西秩父ライオンズクラブさん、2号が愛友会さん奉納の筒になります。
早速見慣れない道具が・・・
このように筒を挟む道具でした!
接着の補助や色々な作業に使えそうですね!( ´∀`)bグッ!
そしてこちらが過去の龍勢の頭の部分になりますが・・・
本来粘土が見えるはずなのですが、隠すように木の蓋がされていました。
これは火薬が燃焼した際、粘土が衝撃に耐えられずにに上から抜ける(ちゅうぬけと呼ばれる失敗)のを防ぐ役割をしています。
この木の蓋自体は他流派でも見られる工夫ですが、浅間雲流さんではもう一工夫凝らし、あえて木の蓋を楕円形にしているそうです。
そうすることにより円形よりもしっかりと蓋がなされることになり、衝撃にも強くなるんです!
さて、作業の様子を見てみましょう。
浅間雲流さんでは龍勢を2本製造する場合でもタガかけは1日で終わらせてしまいます。
タガかけだけでなく、全ての作業において今まで培ってきた技術や方法を若い人に伝えやすいようにマニュアル化し、伝統や文化を引き継げるようにしています。
またマニュアル化により作業も効率化されることになり、仮に人数が少なくても龍勢を製造できるようになります。
そのようにして、龍勢の伝統と文化を守ろうと、日々研究を続けているそうです。
まずはみんなでひご引きです。
浅間雲流さんでは「しんこ」と呼ばれる1年目の竹は使わずに2・3年目の竹を使います。
しんこに比べ扱いは難しいが、粘強いらしくタガにはより適してるとのこと。
ん・・・?随分若そうな子がいるぞ・・・?
真剣な表情で作業してますが・・・
気になったので少しお時間を貰ってインタビューしちゃいました( ̄ー ̄)ニヤリ
大島竜郎くんは現在17歳の高校2年生。
学区が吉田中ではないために小・中学校で龍勢に触れたことはありませんが、昔から花火や竹・木をいじる事が大好きで、小学生の頃から龍勢師になりたかった筋金入りの龍勢大好き子!
お祭りも前日から無料桟敷席の場所取りをするほどの気合で参加していました!
27流派の中でも秋雲流の龍勢がキラキラしていて好きなようですよ。
おじいちゃんの家が浅間雲流作業所の傍にあり、小学生の頃から浅間雲流さんの作業所にちょくちょく顔を出していたそうです。
高校生になった今、どうしてもやりたいと親を説得して浅間雲流さんのお手伝いをさせてもらっているそうです。
まだ17歳なので正式な会員ではありませんが、まずは基本をしっかり学び、18歳になる来年は入会をし、きめ込み等危険区域内での作業もしてみたいとの事でした。
将来が楽しみですね!
次はタガかけです!
まずはシリコンスプレーを吹きかけ滑りをよくし
ある程度の所までタガを叩いて入れます
ボンドを塗って
ジャッキでしっかり上げます
浅間雲流さんでは先程も述べたように「作業の効率化と誰でも同じように作業が出来るように」するために10年程前からジャッキを使ったタガかけを行っています。
他にもタガを傷つけることなく均等に力がかけられる事が利点です。
このように筒の太さに合わせて多数の抑える鉄板を用意してあります。
傍らではタガ編みも同時進行で行われます。
タガかけもそうですが、各作業で各流派それぞれの特色が出てて面白いですね!
浅間雲流さんの今年の打上は2番(8:55)と10番(10:55)です。
天気がよければ午前中の方が雲が少ないことが多く、龍勢のより勇壮な姿を楽しむ事が出来ると思います。
令和元年の龍勢祭、是非打上1番の櫓試しからご覧下さいね!
お忙しい中お時間を頂きありがとうございました。
見事な龍勢を期待しています!
文・写真 : けんも
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